セナトーレ・カッペッリ小麦とは

パスタの原料となるデュラム小麦のひとつである「セナトーレ・カッペッリ小麦」は、1920年代から1970年代初め頃まで、イタリア(特に南イタリア)で、えり抜きの品種として、最も多く栽培されていたデュラム小麦でした。

新しく品種改良されて作られた小麦に取って代わられ、姿を消してから数十年になります。

しかし、近年その質の高さが見直され、バジリカータ州のような、質の高い農産物の保護に努める、イタリアのわずかな場所で再び栽培されるようになりました。
茎が長いので除草剤を使わなくても雑草を窒息させます。従って有機栽培には適しています。

多くの脂質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルを含み、その上消化が良いと言う特徴があります。

パスタを作るのに大変適していて、とてもおいしいパスタができます。

☆セナトーレ・カッペッリデュラム小麦のパスタは、今イタリアでは「グルメで高級なパスタ」として贈答用などにも用いられているようです。

 

セナトーレ・カッペッリ小麦の歴史


N.S

世界で最も偉大な農業遺伝学者のうちのひとりであり、「緑の革命」の先駆者でもある、ナザレーノ・ストランペッリという人物のことは、残念ながら本国イタリアでも世界中でも、いまだあまり知られていません。

1866年にマルケ州で生まれ、大学で農学を修めた後、1900年代初頭に、品質や生産性の改良を目的とした小麦の研究を始めました。

セナトーレ・カッペッリデュラム小麦は、彼が世に送り出した小麦のうちのひとつです。

1907年に、ラッファエレ・カッペッリというの名前のイタリア王国(当時)の下院議員に、プーリア州にある彼の所有地を使って播種試験を行なうことを許され、そこでストランペッリは硬質小麦の選抜と交配の研究をしました。南イタリアや島しょ部原産の硬質小麦も、地中海沿岸の他の国々原産のものも、両方利用しました。

そして、1915年、チュニジアのJeanh Rhetifahという名前の硬質小麦から、土地や気候にとてもよく適合してよい実を実らせ、そしてパスタを作るのに適した冬小麦の一つを選抜しました。
それが、そうこうする間に上院議員(セナトーレ)になったカッペッリの名前が付けられ、1923年にリリースされることになる硬質小麦です。

このセナトーレ・カッペッリ硬質小麦は、背が高く、雨や風で倒れやすいにもかかわらず、イタリアの農家の間で大変な人気を博すことになります(実際、それ以前に栽培されていた硬質小麦より収穫量はかなり多くなりました)。
そしてその後数十年の間に、イタリアで栽培される硬質小麦の60%を占めるまでになり、60年代頃までそれが続きます。

 

セナトーレ・カッペッリ デュラム小麦


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大きな特徴を持った小麦で、その穂は180cm以上、稈(=茎)は強く、高さは150cmもあります。そして、実が熟すと芒(のぎ)が黒くなるのも特徴的です。したがって、小麦畑を遠くから見ても、すぐにそれとわかります。生産性の高い(当時)種で、一般的にデュラム小麦の小穂が15〜20であるのに対して、実りの多い小穂が19〜21あり、穀果の数が1つの穂に40〜60あります。穂は四角で、白っぽい金色、ノギは暗褐色から黒色で中くらいの長さ。穀果は黄褐色でかなりの重さがあります。1000穀果で58gです。用途としては、他の伝統的な小麦を基本に現在作られているパンやパスタやお菓子などの食品に利用することができます。

全ての昔の小麦と同様に、セナトーレ・カッペッリデュラム小麦は、高い背丈と、よく成長した根が雑草を窒息させるので、これらのことから、有機で栽培するには適しています。
しかしながら、同時にその高い背丈のため雨や風で折れ曲がりやすかったり、倒れやすい性質はこの小麦の栽培を困難にし、新種に比べての収穫量の低さ(約1t〜2.5t/ha)ということもあり、60年代終わりに別の種と取り替えられることになりました。

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背丈は180cm程もあります


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◁◁ 小麦  パスタ 

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